協会規約

ガイドライン

ファクタリング業取引ガイドライン

 

1.ガイドライン制定の目的

本ガイドラインは、協会員が債権買取業(以下、「ファクタリング業」といいます。)の業務運営に関し遵守すべき事項及びこれに関連する事項を定めることで、協会員のファクタリング業にかかる業務の適法・適正な運営を確保し、もって、債権譲渡者(以下、「顧客」といいます。)はもとより譲受債権の債務者等の利益の保護を図り、かつ、日本国経済に資することを目的とするものです。

 

2.関連法令等の遵守

2-1 法令の遵守

協会員は、以下に定める法律のほか、その他の関係法令・政省令・通達(以下、「関係法令等」といいます。)、「金融庁所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(平成28年金融庁告示第 3 号)、「経 営者保証に関するガイドライン研究会」から公表された「経営者保証に関するガイドライン」(以下「経営者保証ガイドライン」という。)を含む。)及び金 融庁が策定した「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」(以下「マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン」という。)を遵守するとともに、本ガイドラインその他当協会が制定するガイドライン、規定等において定められた事項を遵守しなければなりません。

2-2 法令外事項の遵守

協会員は、本ガイドラインにおいて守るべきとされている事項について、これを遵守するよう努め、ファクタリング業務の運営をおこなわなければなりません。

2-3 関係法令等遵守教育の徹底

協会員は、今日会員が雇用しもしくは営業に関する契約を締結している第三者に対して、関係法令等及び本ガイドラインを遵守するよう、徹底して教育に努めなければなりません。

2-4 関係法令等遵守体制の確立

協会員は、会社もしくは団体として、関係法令等を遵守するための体制を確立するよう努めなければなりません。

 

3.取引について

3-1 業務の透明性の確保

協会員は、顧客等に対する情報提供を積極的に行いその業務の透明性を確保するよう努めなければなりません。具体的には、顧客等に対し重大な影響を与える可能性のある業務に関する変更や不祥事件の発生等に際して、顧客等の視点に立ち、正確かつ公正な情報を迅速に個別当事者のみならず必要に応じて広く顧客等に対して伝達する必要があります。この目的を達成するため、ファクタリング業者は、その業務の透明性を確保する社内態勢等を整備するように努めなければなりません。

3-2 店舗情報の提供

協会員は、その本店及び各営業所及びについて、ホームページやパンフレットなどにおいて、その所在地・連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレスなど)を明らかにするとともに、会社代表者等の責任者(代表取締役、支店長、営業所長などを含みこれに限られない)についても顧客等に情報提供するよう努めなければならず、顧客等から問い合わせを受けた場合、速やかに回答できるような体制を整えなければなりません。

3-3 債権譲渡契約における留意事項

協会員は、顧客と債権譲渡契約を締結するにあたり、以下の点に留意しなければなりません。

3-3-1 書面により締結し、内一部を顧客に交付すること

3-3-2 債権譲渡契約であることの明示をすること

3-3-3 買戻し特約や、譲受債権の不履行に対する担保など、譲受債権が不履行となった際に顧客に責任を追及することができる規定を置かないこと

3-3-4 債権の存在、譲受債権の債務者の資力保証、相殺理由の不存在など、譲受債権が不履行となった際、協会員が顧客に対し損害賠償請求をすることができる可能性がある規定を置かないこと。

3-3-5 対抗要件具備の方法、顧客の義務などを明らかにすること

3-3-6 反社会的勢力排除の規定を置くこと

3-3-7 契約解除規定を置く場合、解除理由を明示すること

3-3-8 専属的合意管轄規定を置く場合、管轄裁判所を明示すること

3-3-9 対抗要件具備のための書類(債権譲渡通知書、債権譲渡通知郵送に関する委任状、債権譲渡登記に関する委任状)を受領する場合、各書類の内容および受領する理由を明らかにすること

3-3-10 譲渡を受ける債権について、契約締結前にあらかじめ見積もりを行い、顧客に交付すること

3-3-11 債権買取額の決定について、譲受債権の債務者の資力に着目し、顧客の資力に着目しない買取基準を作成し、その基準に基づき買取額を決定すること

3-3-12 譲渡を受ける債権について、その同一性を明らかにするため、以下の点について明示すること

⑴ 第三債務者の名称、所在地、代表者名

⑵ 契約の内容(契約の性質、名称、契約履行地など)

⑶ 債権が発生する業務の期間(期間があるものに限る)

⑷ 弁済期

⑸ 債権の金額

⑹ 債権の一部買取の場合その買取金額(買い取る債権の総額)

⑺ 債権の買取価格(ファクタリング業者が顧客に支払う金額)

3-4 対抗要件の具備に関する留意事項

協会員は、債権譲渡について対抗要件の具備を留保した債権譲渡契約を行う場合、以下の点に留意しなければなりません。

3-4-1 対抗要件の具備を留保した債権譲渡契約を行うことについての顧客の不利益について十分説明を行うこと

3-4-2 対抗要件の具備留保が撤回される場合とその理由について、顧客に対し十分な説明を行うこと

3-4-3 顧客の真意に基づき、顧客から対抗要件を具備しない債権譲渡契約をする旨の申し入れを書面にて受け取ること

3-4-4 対抗要件の具備を留保する場合、取り立てを行う者(顧客である場合を含む)及びその方法を明らかにすること

3-4-5 債権譲渡の対抗要件を具備するための書類を顧客から受け取り保管すること

3-5 業務委託契約締結に関する留意事項

協会員は、債権譲渡について対抗要件の具備を行わない場合であって、その取り立てを顧客に委託する場合には、以下の点に留意しなければなりません。

3-5-1 取り立てについて、顧客に報酬が支払われないこと

3-5-2 業務委託契約違反の事項について明示し、顧客に説明を行うこと

3-5-3 業務委託契約に違反した場合、対抗要件の具備がされる可能性があることを明示すること

3-5-4 業務委託契約に基づき顧客から取り立て金の引き渡しを受けるときは、譲受債権の弁済に対応するものであることを確認すること

3-5-5 反社会的勢力排除の規定を置くこと

3-5-6 契約解除規定を置く場合、解除理由を明示すること

3-6-7 専属的合意管轄規定を置く場合、管轄裁判所を明示すること

3-7 取引に付随する留意事項

協会員は、顧客と取引を行うにあたり、以下の点に留意しなければなりません。

3-7-1 広告及び顧客の勧誘については、関係法令及び本ガイドラインのほか、社会通念上相当な時間、相当な方法により勧誘を行うこと

3-7-2 個人情報については、個人情報保護法及び関係法令並びにこれらを前提とする基準に基づき適法に管理するほか、個人情報保護委員会から要請があった場合にはこれに速やかに従うこと

3-7-3 顧客からの苦情および相談窓口を明らかにし、相談及び苦情に対しては速やかに回答すること

3-7-4 顧客が、業務委託契約に基づく取り立て金の支払いに応じない場合であっても、その引き渡しを求めるにあたっては社会通念上相当と認められる方法で行うこと

3-8 取引履歴について

協会員は、顧客との取引履歴を、その取引終了から10年間これを補完しなければなりません。